書くことと理系選択

私は大学では工学部を出ました。ということで、理系です。
高校2年の時に、文系・理系の選択で、理系を選びました。

その理系を選んだのも、高校2年の時の考えではありますが、国語がやや苦手だったから、というものでした。
数学と理科はやや得意。英語と社会は、どう頑張れば点数が良くなるか、なんとなく分かっていたところがありました。
しかし、国語はそうはいきませんでした。そこまでひどい点数ではなかったですが、何をどうやったら伸びるのか、分からない。国語は感覚の問題が大きいのでは?と思っていました。

そんな訳で、理系を選択。頑張り方が分かっていた方が安心でした。
そして高校3年が近づく頃、ありがたいことに成績が伸びてきて、東大・京大が視野に入ってきました。
そこで東大を受験することを選択。すると・・。

理系なのに、なぜか国語がありました。
数学、理科、英語はもちろんあります。そして社会はありません。
でも、国語は科目に入っていたのです。
それも、現代文、古文、漢文のフルコースに、200文字作文という文章を書く問題まで付いていました。

国語を避けて理系に行ったのに、結局国語はしっかりやることに。
当時は文章を書くなんてあまりしていなかったので、小論文の講座をとって練習したり、勉強をしました。
おかげさまで、受験には合格でき、入学できました。

大学入学後、電子メールがかなり普及してきて、「書く」シーンが増えました。
そして就職したのも経営コンサルティングの会社。提案書・報告書など、書くことがいっぱいです。

そして沖縄に来て、仕事で提案書や報告書など色々と作り、そして「モネの紅茶」という本も出版しました。

今振り返ると、不思議なものです。
国語を避けて理系選択をしたのに、結局受験で国語をやることになり、それも作文が付いていました。
そして経営コンサルタントの仕事でも書くことをし、そして本の出版もしました。
高校当時の自分が聞いたら、驚くでしょう。

でも、そこに何かのご縁を感じます。
一度避けようとしたことに、もう一度向き合うチャンスをもらったのかもしれません。
それ、あなたにとって、結構大事だよ、と。

当時は自分の意見をはっきり言ったり書いたりするのが苦手で、文中で意見がふらふらし、あーでもない、こーでもない、という内容になっていました。
高校の国語の先生にも作文を見てもらっていたのですが、書いた文章を添削してもらったところ、このことを「また水野節」とよく言われていました。

そこから様々な経験をし、本を出版するに至っています。
本当にありがたいことと思いながら、こうして「書く」ことを今様々にさせてもらっているのが不思議に感じるところもあります。

今コラムを書いているのもそうです。
目の前に頂いたことをしっかりやりながら、そこのご縁の流れで展開が広がっていく。
このコラムを書く先にも、何かの流れ・展開があるのかもしれません。
それが何かは今私には分かりませんが、その流れ・展開を少しずつ信頼できるようになってきた自分がいます。

2017年5月16日 水野 洋一郎