「差別化」は“する”ものではなく“生まれる”もの

マーケティングで差別化ということがよく言われます。他の商品やお店と違っているポイント、ということです。
他と違うこれがありますよ、だから魅力的ですね、ということで他にはない何かを出そう、差別化しよう、という考えがよく言われています。

私見ですが、これは元々、ヒットしている商品や人気のお店を分析すると、他の商品や店舗には無い魅力的な要素があった、という見方に基づいているのではないかと思います。
だから、他にはないポイントを作ろう、差別化しよう、となる。

これでうまくいくこともあると思いますが、私は別のスタンスを持っています。
物事がスムーズに行く方法は一つではないですし、差別化することを否定するものではなく、です。

私は差別化は“生まれた結果”ではないか、と思っています。
では、どこから生まれたのか。

一つは、本当に自分がやりたいことは何か?と自分と向き合う中で見つけ出したものと思っています。
つくりたいものは何か?届けたいものは何か?
その答えが見つかることもあるでしょうし、答えが見つからなくても向き合う時間の中でふと何かと出会い、商品やお店が自然な流れでできてくることもあるでしょう。

自分の心と向き合って生まれたものは、作り手から受け取った独自の輝き(=エネルギー)を持つと思います。
それは、必ず他にはない何か。

オリジナルの輝き

もし他と似通ってしまったりするのであれば、もう一歩深く向き合ってみる、というサインなのかもしれません。
また形として他と似ていても、他とは異なる独自の雰囲気を持つことも多くあります。
それが、独自の魅力になっていく。

商品やお店の魅力の出発点は、意外に自分の外側ではなく、自分の内側にあるのかもしれません。

2016年11月16日 水野 洋一郎