「で、どうするか?」 ~外に意識が向かうのを自分の中心に置き直す~

人とあれこれ話し合ったり、やりとりがある時、つい反射的に、じゃあこうしよう、と行動すること、あるかもしれません。
メールが来たのを見ると、じゃあ返さなきゃ、とか。
郵便物を送る必要がある状況で、すぐ送ろう、など。

人から言われた言葉に対しても、反射的に返してしまうこともあるかもしれません。
特に、大きい感情を伴ったりすると、反射的に言った後で、なんであんなこと言ったんだろう、ということも。

反射的に動いている時(それ以外もありますが)、自分の意識は外に向かいがちです。
必要以上に外側、つまりやりとりの相手の人だったり、モノだったり、状況に意識が向かい、注目している状態です。
意識の向け先としては、少し自分のところが留守がちになっている、とも言えます。

本当は自分はどうしたいんだろう?
それは、しっかり自分に意識を向けることが第一歩です。

外部に反射的に行動している自分に気付いたら、「で、どうするか?」と自分に問いかけています。
○○さんがああ言った、□□が必要そうな状況がある、そんな外部のことを一旦認識した上で、改めて「で、どうするか?」

そうすると、外に向かっていた意識が自分の方に向き直ります。
今ここで、自分は何をするか?何をしたいか?そこは自分が地に足を着いているポイントであり、今ここで自分がしたい行動は、自分の中心から発するものだからかもしれません。

アドラー心理学の本「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」(岸見一郎、古賀史健共著)を読みました。
とてもきっかけを頂いた本ですが、その中にアドラー心理学のアプローチの一つで、三角柱に「悪いあの人」「かわいそうな私」「これからどうするか」と書くものがありました。

カウンセリングでも「悪いあの人」「かわいそうな私」の話をする人がとても多いとのことでした。
それは聞き流し、三角柱の二面を見せて、今の話は「悪いあの人」「かわいそうな私」に終始している、と。
そして、三角柱の別の一面を見せ、「これからどうするか」を話しましょう、と展開するそうです。

かわいそうな私と、悪いあの人という被害者意識の二面にスポットライトを当てるのをやめ、自分が何をしていくか、その行動とエネルギーの発揮に焦点を当てていく。
それが健康で健全なあり方なのかもしれません。

2016年12月23日 水野 洋一郎