論理的に考える力 ~そして、論理思考を超えて~

経営コンサルタントは、論理的に考えることが得意、とよく言われます。
仕事柄、会計データやマーケティングのデータなどを扱い、分析してお客さんにとってヒントになることを導き出す、その時に論理的思考を使います。

また、私が東京にいた時に勤めていた外資系の戦略コンサルティングでは、各業界で長く経験があって、その経験を基にアドバイスをする、という人はあまりいませんでした。
むしろ情報収集と論理的思考で、現状把握に基づいた戦略・方向性を提案する、というところに重きを置いていました。(今もそうかは分かりませんが)

なので、論理的に考える力を磨くとともに、そのやり方を色々と教わりました。

論理的に考える、というと何か難しそうな感じがします。
しかし、その内容というのは、「AだからB」と人が自然に思えることをつなげて、積み上げていく、というものです。

よく言われる例で、「空・雨・傘」というものがあります。
空が曇っている→雨が降りそうだ→傘を持って行こう
これが論理思考の例、ということです。
ちなみに、空が“状況”、雨が状況からの“意味合い”、傘が“行動”となり、
状況→意味合い→行動
とつながります。

空が曇っている話だとこういう感じなのですが、それをビジネスの、会社の状況や行動のことでやっていきます。
状況を把握し、それを分析した内容から、行動へとつなげていくわけです。

東京でコンサルティング会社に勤めていたころから10年以上が経ち、今は論理思考をベースにしつつも、それにとらわれないようにしています。

状況を認識する時、特に複雑な状況を把握してひもとく時には、論理思考を使います。
ですが、それを踏まえて何をするかは・・・状況に基づいた論理から、ではなく、自分のハートから決めていく、ハートで決まることをしています。

沖縄に来た最初の頃、東京での経験もあって、論理的に正しい提案・行動をしがちでした。
ですが、論理は論理。
うまくフィットすることもあれば、フィットしないこともやはりあります。

フィットしなくても論理的に正しくなくちゃ、という意見もあるでしょう。
ですが私の場合、一方で意識・精神のことも学んでいました。
そこで思考とは、自分の本来の意志とは、ということにも触れることになりました。

思考で見えてくるものもたくさんありますが、思考は目に見えるものを中心にしがち、という傾向があります。
自分の本来の意志、直観やインスピレーションとも言えますが、それは目に見えるものはもちろん、それを超えたエネルギー全体が視野に入っています。
どちらが的を得ているかは明らかでしょう。
(その直感をどう感じるか、どう見るかはまた色々とポイントがありますが・・)

じゃあ思考、論理思考は役に立たないか、というとそうでもない。
状況を認識したり、他の人に分かりやすく伝える内容を組み立てるのに役立ってくれます。
特に状況をしっかり整理したい時、論理性は欠かせません。

論理や思考重視から、論理や思考を部分的に道具として使って、自分本来の意志を実行し実現するところへ、段々とシフトして来ました。
見た目では頭の中、意識の中で何をしているかは見えませんが、随分と変わってきた気がします。

論理を使いながらも、論理を超えていく。
東京にいた時には、そんな領域があるとは思っていませんでした。
人の変化とは不思議なもの、文字通り思考することや議論することの無いものかもしれません。

2017年5月1日 水野 洋一郎