自分が幸せでいることが、最高の社会貢献

東京にいた時、それは大学生と、社会に出て最初の就職の時期でしたが、社会を良くしたい、という想いがとても強くありました。
大学生の時は学生NPOを作り、学生が社会を知る機会としての学生と社会人の交流会や、就職関連での講演会・ワークショップなどのイベント、ほか様々な活動をしました。
社会人になって経営コンサルティングの仕事に就きましたが、友人がNGOを立ち上げる時に活動に参加するなど、本業以外にも色々な活動をしてきました。

元々人の心・精神には興味がありましたが、東京にいた時は本格的に学ぶには至りませんでした。
まだ時期ではなかったのかもしれません。
東京から沖縄に移り、仕事も沖縄の中小企業や地域づくりの応援をする仕事にやや変わりました。
その沖縄に移る時期あたりから、人の心や精神に関する仕事をする人との出会いが増え、本を読んだりセミナーに参加する機会も多くなりました。
勉強を重ねて、今に至っています。

人の心や精神、またエネルギーについて学ぶことを通して、元々の社会貢献についての気持ちも大きく変わりました。
それは私の軸の一つでもあったので、大きな方向転換になりました。
十年ぐらいかけての転換だったでしょうか。

一つは、他の人を良くする、ということはありえない、ということです。
言い換えれば、他の人を良い方向に動かすというのはない、ということです。

ある人の状態を決めるのは、その人自身です。
その状態を、他人が動かそうとするのは、介入になります。
良かれと思ってであっても、コントロールの質を持ちます。
一時的に何か良くなったように見えても、歪みが残ることが多くあります。

他の人に何かを提供する、提案をする、良い環境となりうる要素を提供する。
それはもちろん大丈夫なものです。
でも提供されたものを受け取るか受け取らないか、それを使ってその人が何をするか、どういう状態を選択するか。それは本人が決めること。

人の集まりが、人間社会です。
とするならば、社会を良くしよう、動かそうとはどういうことか。
はたと立ち止まって、考えてしまいました。

社会を良くしよう、と考えていた自分の中に、社会に対する不満や憤り(当時は教育に対するものが多くありましたが)があったことは、後から振り返ると感じることができました。
当時は分かりませんでしたが。

すると、自分がすることは何なのか。
「自分が創りたいものを創り、表現したいものを表現しよう」
という気持ちにつながっています。

「社会を良くしようとする誰かさん」ではなく、私自身がまずやりたいことをやること。
したい創造と表現をすること。
自然に湧き上がってくる、これをつくりたい、伝えたい、に素直に行動すること。

そうすると、行動の質が変わってきました。
行動する時の感覚も、変わってきたのです。
他の人や状況のニーズからではなく、自分から発するもので動くこと。
すると、自分が満たされていく感じが分かります。
(もちろん行動する時に他人に配慮するのは大事です。根本がどこか、ということです)

それを続けていったとき、満たされるものがあふれて、他の人へ流れていく、表現が広がり他の人に届いていくのを見ました。
それなりに時間はかかりましたが、自分にとっては大きな変化でした。生き方の変化でした。

以前、テレビでさかなクンが、
「好きなことをやっていくと、そのうちそれを人と分かち合いたくなる」ということを言っていました。(言葉そのものは少し違うかもしれません)
まず、自分が満たされてあること。そしてそれは周りの人へ、そして社会へ広がっていくのでしょう。

大学生の時、イギリスのNGOで2週間インターンをしました。
そのNGOの方針が、
「他の人を変えようとするのではなく、自分が変わることで、周りが変わり、社会が変わり、世界が変わっていく」
という主旨のものでした。当時はよく分かりませんでしたが、今少しずつ理解が深まっています。

(続きます!)

2017年7月14日 水野 洋一郎