「見守る」ということ-周りの大事な人を、自分を。

「マネジメント革命」(天外伺朗著)という本を以前買って読み、最近また読み返しました。
マネジメントのスタイルとして、“長老型マネジメント”というあり方が書かれています。
上司・チームリーダーがあれこれ細かく指示したり、管理するのではなく、任せて見守る姿勢を長老型マネジメントとして語られています。
すると、チームメンバーが自分で考えて決めて動き、学び成長するだけでなく、高い集中力を持って行動し、物事が進む流れを後押しする運にも恵まれる、いわゆるフロー状態に入りやすくなる、とのことでした。

また最近ぐっときた本で、育児の本なのですが「あふれるまで愛をそそぐ 6歳までの子育て」(本吉圓子著)を読みました。
様々な育児のことが書かれていますが、ここでも「見守る」というポイントがありました。
子供に対して、あれをしなさい、これはしちゃダメ、早くしなさいなどなど、親は何かと言いたくなるところを、見守ることが自発性の成長に結びつく。
親があれこれ言うのをやめたことで、それまでぐずぐずが多かった子が、自分で行動するように何か月かで変わっていったエピソードも書かれていました。

もちろん、マネジメントでも、育児でも、どんな時にも何も言わず、何もしないというわけではないでしょう。
ここは、というところではアドバイスをしたり言葉をかけたり、直接何かをすることもあると思います。
それでも、姿勢は「見守る」ということ。

この「見守る」ということ、やってみると心配だったり、不安が心をよぎることがあります。
私も以前会社勤めをしている時に、周りのメンバーのことであまり口を出さず見守っているつもりが、心の中は、状況はどうなっているのか、と管理したい気持ちがたくさんあったことがありました。

ここでポイントなのが、まず自分を「見守る」ことだと今は思っています。
禅でも、自分の心にやってくる気持ちや考えをありのまま見る、という瞑想がありますが、気持ちや考えは見られると(=明確に確認されると)離れていく、という特性があります。
自分の心を見守ることで、自分の心が整います。

仕事でも育児でも、他の生活のシーンでも、他の人と共に自分を見守っていくことが、自他ともに気持ちよく過ごせるコツの一つかもしれません。

2016年12月1日 水野 洋一郎